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支笏湖ユースホテル旧館
支笏湖ユースホテル旧館写真集 支笏湖ユースホステルの歴史

 この赤い三角屋根は日本ユースホステル協会直営第一号として昭和35年に建てられました。この建物は北方建築の第一人者田上義也氏の設計によるものです。現在は残念なことに老朽化が進み館内の利用を控えておりますが、半世紀を迎えるにあたり記念館もしくは北海道遺産として残そうと気運が高まり、町おこしメンバーの皆様が”屋根裏の会議室”を設立し、改築・運営・募金活動を行っております。

 「屋根裏の会議室」に関する問い合わせ:喫茶ログベアー 電話 0123-25-2738

 

会議
会議の様子。

三角屋根
屋根に色を塗りました
赤い三角屋根記念館
「赤い三角屋根記念館」ご来場ありがとうございました


ユースホステル あの赤い三角屋根

 二十二年ぶり、十年一昔ならばふた昔以上、正しく浦島太郎、涙ながらに別れた三角屋根。また涙とともに私は建物に触れることでしょう。

 振り返りますと私の半生は支笏湖ユースホステルとともに明け暮れた、と申しても過言ではありません。支笏湖を訪れるたびに、見ないでおこうと心に思いつつも、どうしても見てしまう三角屋根。見るたびに今も朽ち果てそうなその姿に、私は胸がかきむしられる思いをどうする事も出来ないまま、今日に至りました。

 ちょうど折りしも去年9月、主人の他界により、YH運動とともに生き続けた半生が偲ばれ、志半ばで身を引いたその思いを重ね、私の残された余生はあの三角屋根とともに生きようとの思いに至りました。そして今ひとつ、在りし日、ドイツ訪問の折、アルテナ城ユースホステル記念陳列ケース内に、日本第1号YHとして赤い三角屋根の姿を目にしたとき、私の胸は高鳴りました。「ああ、支笏湖YHを世界に恥じない建物として、後世に残さなくては」と心に誓ったことが思い出されます。

 混沌とした世相の昨今、ユースホステル運動の原点を今一度振り返り、風向明媚、自然美抜群の国立公園支笏湖にて、青少年の情操教育はもとより、広く老若男女の健全育成に微力ながらお役に立ちたいと切に望みます。

 年齢を考えますと、とてもお引き受けするに値しないと思うのですが、心は昔のまま、死にいたるその時まで、私の持てる全力をこの運動にご尽力された先達、先輩、同志のご恩に報いたい!これも私の気持ちでございます。

 「飛んで火にいる夏の虫」との諺があります。間違ってもそのようなことのないようにと、念じております。昔お世話になりました沢山の方々のお力を顧い願い、何卒ご指導、ご協力を賜りたく、ご挨拶とともにお願い申し上げる次第でございます。

 三角屋根が赤く綺麗に蘇る日を!

(2007年3月吉日・支笏湖YHペアレント 吉川悦子